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夏休み最終日に絶望する“簡単”自由研究の落とし穴

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私は「サライ」がテレビから流れ出すと「ヤバイ、夏休みが間もなく終わる…」と急に焦り出す子どもだった。焦る理由は単純。夏休みの宿題の親玉ともいうべき「自由研究」に手をつけていなかったからだ。
そんな小学校時代の自分に教えたい本を見つけた。『小学生のキッチンでかんたん実験60』(学研・著/学研プラス・刊)だ。帯部分には「3分でできる実験がたくさん!」と書いてある。カップラーメンができるほどの短い時間を求めないにしても、この本通りにやれば夏休み最終日でも楽々自由研究が終わるんじゃないか?
そんな期待を胸に小学生の時に戻った気分で、ひとつ実験を実際にやってみた。

ゼリーと果物を用意して…

ゼリーの上に、バナナとキーウィをのせるよ。ゼリーがとけるのはどっち?

(『小学生のキッチンでかんたん実験60』から引用)

「え? ゼリーってそんなに簡単にとけるの?」と少々驚きながら、ページをめくると実験結果が早速掲載されている。

キーウィでとけた!

(『小学生のキッチンでかんたん実験60』から引用)

キーウィを20分ほどのせたゼリーだけがどろどろに溶けている写真が載っている。なんでも、ゼリーを固めているゼラチンはたんぱく質で、そのたんぱく質を壊す酵素がキーウィには含まれているためゼリーがとけるらしい。
こうして「ゼリーがとけるのはどっち?」の正解発表がされているのに、実際にどろどろに溶けていくゼリーが見たくなり、私はスーパーへ走った。ゼリーにのせる果物の例として、パイナップルやみかんなどもあげられてたが、やはりここは本書で大きく取り上げられていたバナナとキーウィを用意。ゼリーも本書の写真を意識して、色が薄いピーチゼリーなどではなく写真映えする色の濃いグレープゼリーを用意した。

実験開始…

まずはゼリーをお皿にだいたい同じ分量入れてみた。
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次にバナナとキーウィも目分量だが、それぞれ同等の量を意識してゼリーの上に置く。あとは20分ほど待つだけだ。
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結果を知っているとはいえ、ワクワクしている自分がいる。どの段階でキーウィをのせたほうのゼリーはとけていくんだろう。我が家の台所はこの瞬間、実験室になった。

しかし20分経過した後、思いもよらぬ実験結果が私を待っていた。
IMG_3073

20分・30分たってもキーウィをのせたゼリーに何も変化がないのだ。「30分では短かったのか?」と思い1時間、2時間待ってみたがやはり変化がない…。

 

「なぜなんだ?」

 

もう一度本著を開いてみる。するとページ下部に小さな文字で書かれた一文を見つけた。

★市販のゼリーではとけにくいものがあります。ゼラチンをお湯にとかして作ったゼリーを使うと実験できます。

(『小学生のキッチンでかんたん実験60』から引用)

なんということだろう。どうやら、私が使用したゼリーは注意文がさしている「とけにくい市販ゼリー」だったようだ。ゼリーがとける様子を見たければ、ゼラチンを買ってこなければいけなかったのだ。「実験を早くやりたい!」という気持ちが先走り、上記の一文を見落としてしまっていた。猛省である。

危なかった…。これが小学生の時の夏休み最終日だったら、私は間違いなく始業式に自由研究未提出だった。私のように自由研究を後回しにし且つ注意文を見逃すおっちょこちょいな人は、簡単に思える実験でも1日は余裕を持って手をつけたほうが賢明かもしれない。

(文:凧家キクエ)

小学生のキッチンでかんたん実験60

著者:学研
出版社:学研プラス
キッチンで楽しく遊びながら学べる実験を紹介します。自由研究にピッタリな本です。キッチンは食材や食器などがそろっていて、一番身近で実験しやすい場所。キッチンにある材料だけでカンタンにすぐできるので、初めての自由研究にもおススメです。

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