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6ヶ月で300個しか売れなかった商品が、年間450万個売れるようになったヒミツ

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6ヶ月で300個しか売れなかった商品が、ある人々の意見を取り入れて改良したことで、年間450万個売れる大ヒット商品に変貌した!

そんな奇跡のような出来事がある。経営者が参考にしたのは、マーケティングのプロでも、カリスマの同業者の意見でもない。ごくごく普通の女子高生の意見だったのだ。 

一般向けに販売していた「メールブロック」

パソコンや携帯電話のフィルムメーカーとして知られる、サンクレストの創業者・植田実さんの著作『ヒット商品は女子高生・ギャルママに聞け 青少年夢応援隊20年計画宣言』(植田実・著/コスモ21・刊)に、そんな嘘のような本当の話がまとめられている。サンクレストは大阪にある、年商10億円ほどの企業。躍進のきっかけになったのが、女子高生の意見を取り入れて開発した「メールブロック」の一製品だった。

「メールブロック」といえば、携帯電話やスマホの画面を横から覗き見されることを防ぐ、薄いフィルムだ。以前、植田さんは、ゲームボーイの液晶保護フィルムを販売していたため、携帯電話でも同様に売れるのではと思い、商品化。一般客向けに販売をはじめたものの、ちっとも売れなかった。6ヶ月で300個という、悲惨な状態だったそうである。

ピンクのメールブロックが欲しい!

そんなある日のこと。マーケティング目的で渋谷の女子高生に意見を聞いたところ、とにかく植田さんの製品はかっこ悪いと酷評されまくってしまった。ところが、ある高校生が「ピンクのメールブロックが欲しい!」と言ったところ、周囲の女子高生も「私はブルー」「緑が欲しい」と口にしたのだ。

当時、植田さんには、フィルムの性能が落ちるし画面も見にくくなるので、色を付けるという発想がまったくなかったそうだ。ところが、一念発起して意見を参考に開発を進め、1年後に発売したところ、いきなり20万個を売る大ヒット商品になったのである。快進撃はとまらない。フィルムに「キティちゃん」を印刷した製品も作ったところ、テレビの取材も殺到し、さらに売れまくったのである。

結果、それまでは6ヶ月で300枚しか売れなかった製品が、女子高生の意見を取り入れたことで、年間450万個が売れたのだそうだ。

生の声を取り入れて商品を作る

植田さんは、この出来事以来、女子高生に絶対的な信頼を寄せるようになった。彼女たちは神様だと話す。さらに、20~30代の若くてオシャレに敏感な若い“ギャルママ”をターゲットにした商品開発を始めた。サンクレストには「ギャルママ商品開発部」という部署がある。

ギャルママの総数は約30万人、彼女たちに影響を受ける若い母親層は約120万人もいるそうだ。市場規模は大きい。商品開発には、生の声や真摯な意見が欠かせないと植田さんは話す。ギャルママは派手で常識がないと思っている人が多いが、実際は社会貢献の意識も高く、子育てにも熱心で、真面目な人が多いのだそうだ。

商品は、そういった女性の感性に訴えるものであることが大前提で、安易に流行に乗ろうとしたものはヒットしない。現場のニーズに耳を傾け、思いに応える商品をつくることが、ヒットへの第一歩なのだ。

(文:元城健)

ヒット商品は女子高生・ギャルママに聞け 青少年夢応援隊20年計画宣言

著者:植田実
出版社:コスモ21
「ピンクのフィルムがほしい!」女子高生の一言を、“天の声”と聞いた――。以来、メガヒット商品となった携帯メールブロックをはじめ、関連商品で快進撃を続ける業界の雄・サンクレスト。ドツボと油まみれの青春を味わい、東大阪の四畳半からスタートしたサンクレスト社長、男の根性物語。

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