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留学したい中高年が増えている

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知り合いが語学留学に行くといって、ハワイに行ってしまった。40代で、仕事もしている。ちょっとハワイに行くと軽く言える立場ではない。それなのに行ってしまった。そして現地の語学学校で英語のレッスンを受けた。もしかして、ちょっと休んでハワイに行きたかっただけなんじゃないの? そう思っていたのだけれど、そうではなかった。彼のように、留学したがる中高年が最近増えているのは無視できない現象だと思う。

まずは語学習得のため

熟年留学のススメ』(アドレナライズ・刊)の著者・林信吾さんは、50代になってから、夫婦でスペインに10週間留学した。マドリッドにアパートを借り、自炊しながら現地の語学学校に通う、かなり本格的な留学だ。夫婦で学校に通うというのは、うらやましい。なぜある程度年齢がいっているのに、つまり単語の記憶力も若い頃に比べたら衰えているかもしれない時期に、語学なのか。でも、実は私の周りでも、40代を過ぎてから語学学習を始める人が、続出しているのだ。

かくいう私もそう。学んでも学んでもなかなか学力が伸びないけれど、しつこく英語を頑張っている。私の叔父もしつこさだけは家系なのか、80の高齢ながら、毎日1つ英単語を覚えることを日課としている。私も叔父も海外に行く予定があるわけではない。叔父は頭の体操として、私は英語の小説を読みこなせるようになりたくて、学習し続けている。私の周囲でも「改めて英文学を学びたいから、英語もやらなくては」「韓流タレントが好きだから、韓国語を覚えたい」など、様々な理由で語学学習を始める人が増えている。

現地に行くのが早い

我が家は親子3人とも、日本を一度も出たことがない。そのため語学にとても弱い。息子もTOEICの点数が伸び悩んでいる。そうなると結局考え始めるのが「現地に行ったほうが早いのでは?」ということである。最近は親子で夏に留学する人も増えているという。子どもはサマーキャンプに、親は現地の語学学校に行くのだとか。フィリピンだったら実現できるかな、なんて少し本気で考えていたけれど、この本でもやはり、現地に行って学ぶ良さを知っているから留学を選んだと書かれていた。

覚えるのは語学だけではない。現地の雰囲気や人々の暮らしぶりなど、実際に行かなくてはわからないことがたくさんある。著者の林さんは、以前、3ヶ月スペインに留学した後、NHKの『スペイン語講座』を観たら、ほとんどわかるようになっていたという。基礎的な語学力は3ヶ月現地で生活することで身についたのだ(と言っても、外に出て市場などで買い物をし、現地の友達を作るなど、積極的に行動するかどうかで差はつくとは思うけれど)。

ゆくゆくは永住

ただ、実際に現地に行くほどの強い思い入れがその国にあるわけだから、結局のところ、ある程度話せるようになると、移住という気持ちも出てくるようだ。前述の知人も、ハワイが気に入ってしまい、そちらに住んで、東京には時々仕事で帰ってくるという生活を送っている。著者の林さんも、スペインに移住できないかと考えていた。住んでもいい、住みたい、でもいきなり移住するよりは、まずは短期語学留学をして様子をみよう。実際に現地に向かうのは、そういう人が多いのかもしれない。

著者は、2週間でもいいので留学してみては、と本の中で勧めていた。2週間なら行動を起こせる中高年もいると思う。それにしても最近はどうしてこんなに中高年の語学熱は高いのか。それはやはり、人生が長くなったということがあると思う。後30年以上も残りの人生があるのなら、今とは少し違う生き方もしてみたい。外国で別の言語を使って暮らす自分、に、憧れる人が増えているのだ。よその国で、第2の人生を歩み始める日本人は、これからもっと増えていく気がする。

(文・内藤みか)

熟年留学のススメ

著者:林信吾
出版社:アドレナライズ
熟年世代こそ、自らの意志で海外に出て、様々なことを学び、色々な意味で考え方を変えて行く必要があります。自分ができなかったことを若者=次の世代に求めるのは、フェアではありません。今からでも、素晴らしい思い出を作ることはできますし、自分の世界を広げることはできるはずなのです。本書は、50歳を過ぎて夫婦でスペイン留学した体験記です。イギリス本の第一人者が、今なぜ? 若き日のロンドン在住経験から、スペイン留学事情、若者論、外国語を学ぶ意味まで。

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